民主党の憂鬱2009/08/11 01:11

衆議院選挙が間近に控えているが、民主党の首脳部は今、意外と憂鬱かもしれない。

単独で過半数を超えるような大勝ができなかった場合、連立を組む相手を探すのが一苦労だからだ。

たとえば社民党。
党首の福島氏は、インド洋からの自衛隊即時撤退を主張している。
自衛隊を派遣する前に野党はその法案に反対したのだから、政権を取ったら即時撤退すべきだ、というのがその理由。

しかし、そんなことをすれば、外交的には汚点を残すことになる。
最終的に撤退を決断することはあるとしても、それには時間が必要だ。関係各国に迷惑をかけるようなことをすれば、信用を失うことがなぜ彼女にはわからないのか?

派遣する前と派遣した後では状況は違うのだ。
頭が彫り固まり、思考が戦後間もない頃から変わっていないかの政党と現実的に連立を組むことは、難しいだろう。

しかし、もっと時代錯誤な政党がある。
共産党。

日米安保破棄、自衛隊は違憲。
そこでどうやって国を維持するのか問いたい。


一般的に、軍隊を持つことの意味は2つある。

ひとつは戦争をするため。
そしてもうひとつは、戦争をしないため。

もし日本が軍備を持つことを「悪」だというならば、なぜ隣国が軍備を持っていることを「悪」だと言わない。
彼らにはマキアヴェッリの君主論を読ませたいものだ。

神聖ローマ帝国崩壊後、今のイタリア半島はフランスとドイツに脅かされた時代があった。
イタリア半島の北に位置するフィレンツェは商業的には栄えていたが自前の軍隊を持っていなかったために、戦争のたびに自国の安全保障を他国に委ねればならず、不利な条件を突きつけられることも多かった。

悲しいことだが、「国家」という単位でしか、国を治める政治家たちは人を分類することができない。

そして、その国に生きる者の権利を本気で守ることができるのは、その国に生きる者だけである。

自衛隊を解散して、同盟国アメリカに一方的に同盟を解消したらどうなるのか? もっと真剣に考えて欲しい。
一度、自分から解消した同盟を、再度結ぼうとしたら、今よりずっと不利な条件になることを忘れてはならない。

自民党には公明党という、比較的組みやすい政党がいる。
自民党だけで仮に過半数取れなくても、あるいは第一党になれなくても、公明党と合わせて過半数を取れれば、とりあえずの問題は回避できるのだ。

しかし、民主党はそうはいかない。
できの悪いといっては申し訳ないが、組むに値しない無責任な政党ばかりしか残っていないのだから、今年の総選挙では単独で過半数を取れれば勝ち、取れなければ負けを意味すると覚悟して望んで欲しい。

第一党になったら「勝ち」ではないのだ。

民主党内には、楽勝ムードが漂っていると思うが、私は選挙前に、社民党や共産党とは連立を組む予定はない、ということを明確に内外にアピールしてもらいたいと考えている。

そうすることで、党内のたるみを抑えると共に、他の野党に安易に引きずられることを防ぐことができる。

社民党などとの連立も視野に入れたまま選挙に突入した場合、第一党になりながら過半数を取れなかった場合は、必ず選挙後、足並みが乱れることになる。
そこを自民党に突かれることは目に見えているのだ。

そんな浮き足だった状態では、とても行政改革などできるはずがない。