ダムの建設中止2009/09/22 09:34

民主党が支持された理由のひとつに、自民党政権下での国家予算の無駄遣いがある。

民主党は全国のダム建設計画を全て見直すと宣言しているが、なかなか思うようには進まないようだ。

当初、反対だった地元住民も、既に新しい場所へ移転していたり、観光収入を見込んでいたりと、今更戻れないというのがその理由。
確かに、地元の方々にしてみれば、国に振り回されて怒り心頭だろう。


しかし、だからといって、必要のないダムを造って良いはずがない。
それは単なる環境破壊に過ぎず、単なる無駄遣いに過ぎず、そのどちらも後世に負の遺産となって残るからだ。

さて、にわかに注目を集めているのが、現在、八ツ場ダムだ。
建設を中止しようとしている民主党政権と話し合いすらもとうといない地元住民。
このままだと、作ることも壊すこともできず、作りかけのダムは次第に劣化し、改修するにも壊すにも無駄金がかかる危険が出てきた。

複数の問題にぶつかったとき、難しい方から対処する方法と、簡単なほうから対処する方法があるが、ダム問題に関して言えば、簡単なほうから対処すべきだろう。
結論がでやすいものはできるだけ早急に結論を出し、着々と進めないと、先に書いたように設備そのものが劣化していく。

更に、八ツ場ダムのように全国的に話題になっている場所の行く末をじっと見ている方々も多いはずだ。もし、一部でも、「続行決定」となった場合、他の地域でも続行を希望する風が強くなるはずだ。

それでは民主党の掲げる福祉に力をいれた予算編成はできないし、自民党と何も変わらないとマスコミがかき立て、変化を期待した多くの国民の失望を誘うだけだ。

まず初めに手をつけなくてはいけない物件は、このような場所ではなく、開発中止が容易なところからであろう。
そのような事例を複数作ることで、時流を作っていかなければならない。

その上で、国政に振り回された地元住民に対しては、生活の保障をしっかりすべきである。

あるダム建設場所では、ダムに沈むからといって放棄された農地が全体の99%もあり、ダムが造られなかった場合、生活が破綻する危険があるらしい。
そのような場所は高齢者も多く、町の税収も少ないから町クラスでは保障もできない。
ダム建設を中止する際は、そのあたりにも十分に注意して進めてもらいたい。